7-1. 単価アップ交渉戦略

単価アップ交渉には、タイミングや交渉をうまく進めるための戦略があります。

ここでは、それらの単価アップ交渉に関して解説していきます。

単価アップ交渉のタイミング

単価アップの交渉時期として、「契約から半年後」&「1月・2月」が交渉しやすいタイミングです。

契約してからすぐが「1月・2月」だからと交渉するのは、なかなか通らない可能性がありますのでご注意ください。

契約から半年後

単価アップの交渉時期は、早くても契約から半年後が理想です。

記事数としては20記事以上を納品すると、なんとなく感覚もつかめてきて、クライアント側の負荷もだいぶ下がってきます。

そのタイミングになったら、単価アップ交渉を開始してもいいでしょう。

ただし、メッセージのやりとりが遅い、納品が毎回締切ギリギリなど、先方との人間関係にヒビが入っていたり、納品記事に毎回膨大な指摘を受けるなど成長が見られない場合は、交渉は逆効果です。

そのあたりを見極めて、交渉を始めましょう。

1月・2月

交渉時期として、1月2月の次年度の予算組みをするタイミングを狙うのも戦略としてありです。

たいていの会社の決算月は3月となっているので、1月2月は次年度も意識した動きをとる会社が多いものです。

決算月が3月ではない会社もあるので、念のため法務局で登記簿謄本を取得すれば、会社設立日から起算して決算月を推測することができますよ。

単価アップの交渉材料を用意する

クライアント側からすれば、なるべく単価を上げたくないのが本音です。

クライアントに単価交渉に応じてもらうには、「クライアント側にメリットが提示できるとき」もしくは「単価を上げないとライターとの契約が切れてしまう可能性があるとき」のいずれかの理由が殆どです。

そのため、そのいずれかの理由付けをする交渉材料を用意する必要があります。

クライアント側にメリットが提示できるとき

このパターンの方が、単価交渉に応じてもらえる可能性が高くなります。

クライアントの負荷をさらに下げる交渉材料としては、以下のようなものがあります。

  • 画像選定・画像作成まで行う
  • WordPress入稿などの作業を行う
  • 納品数を増やす
  • 他ライターのマネジメント等を行う
  • キーワード選定など企画から担当する
  • SNSで記事の拡散等を行う(フォロワーが1,000人以上いる場合だと交渉しやすい)

それらが新たにメリットとして提案できると、価格交渉がしやすくなります。

正直、上記の項目はSNS拡散を除けば、クライアント側の負荷はそれなりに大きいです。

画像選定やアイキャッチ画像の作成、WordPressへの直接入稿を行ってもらうだけで、それぞれ15分~30分近く作業が削減できますので、交渉の余地は十分あるでしょう。

また、クライアントは基本的に複数ライターに依頼をしているため、ライターごとにクオリティのバラつきがあります。

できれば、一本化したいと思うのも事実のため、納品数を増やす提案も交渉材料として使えます。

単価を上げないとライターとの契約が切れてしまう可能性があるとき

もうひとつのアプローチが「契約が切れてしまうかも?」とクライアントが想像するパターンです。

クライアントからすれば、イチからライターを募集して教育しなおすのも面倒だし、ライターを変えて記事の雰囲気が変わってしまうのを避けたいと思っています。

そのため、ライターからの単価交渉に応じず契約が切れてしまうことは、クライアントにとってもデメリットなのです。

具体的なアプローチとしては、以下のようなものがあります。

Webライターとしてスキルアップし、平均受注単価が上がってきて割に合わなくなってきた

例えば、新規に受注する案件の文字単価が3円だったとき、過去に1円で受注した案件は割りに合わなくなってきます。

手持ちの案件が増えている、金額のボーダーを引き上げているなど、クライアントが「単価アップはやむを得ない」と思うような理由付けができれば単価交渉に応じてもらえる可能性があります。

それ以外の理由

稀に、クライアントが受注金額よりも高単価で新たな募集を行っている場合があります。

その場合も単価交渉のチャンスになるので、かけあってみるといいでしょう。

交渉のボードに乗せるには、やはり更なるメリットを提示するのが効果的です。できれば材料を準備したうえで交渉しましょう。

単価アップ交渉で通りやすい金額

単価アップ交渉でも、極端な金額を提示すると取り入ってもらえない可能性があります。

そこでおすすめは、クライアント側へ2つ以上のメリットを提示した上で、「現行価格 × 2倍」 で金額を提示することです。

「アイキャッチ画像の作成」や「WordPress入稿」など、1つの作業では1.5倍が妥当な交渉金額でしょう。

そのため、2つ以上の条件(クライアントへのメリット)を提示することで2倍の金額で交渉しやすくなります。

作業負荷が増えますが、新しく記事を書くほどの負荷ではありません。

単価アップ交渉の落としどころ

単価アップ交渉の狙いは「現行価格 × 2倍」です。

しかし、2倍ともなると渋るクライアントが多いのは想像に容易いでしょう。

だからこそ、2倍で交渉するも落としどころとして、「現行価格 × 1.2倍 ~ 1.5倍」あたりに落ち着く可能性があります。

あえて2つ以上のメリットを提示して「現行価格 × 2倍」で交渉するのは、メリットを1つに減らして「現行価格 × 1.2倍 ~ 1.5倍」アップの折衷案を残すためです。

もちろん、クライアントによっては見透かされる可能性がありますが、それでもあなたのライティング能力が高ければ応じてくれる可能性は大いにあります。

単価アップ交渉で不利になる可能性はあるのか?

単価アップ交渉をすると、クライアントの心証を損ねて、最悪契約が打ち切られるリスクももちろんあります。

そう聞くと単価アップ交渉に消極的になってしまう人もいるでしょう。

しかし、考えてほしいのが、単価アップ交渉をしたくらいで契約を打ち切るようなクライアントとは、遅かれ早かれ契約が続かないということです。

単価アップ交渉に応じられない理由はさまざまありますが、「金銭的な余裕がない」「ライターを大事にしない」などネガティブな理由がほとんどです。

クライアントとWEBライターは業務委託契約の”対等”な関係です。

単価交渉に応じてくれないなら、こちらから契約を切るくらいの気概で臨むといいでしょう。

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